壁、床の傾き調査に「ビー玉?」
私は、「日本インスペクターズ協会」という建物の検査をする団体に所属しているのですが、最近は関西圏でも「インスペクション(建物調査)」の依頼が増加傾向にあるようです。 左の写真の機材は、オートレーザーと呼ばれるもので、インスペクションの際に、建物の傾きを確認するために利用されています。 機材のスイッチを入れると、壁に水平、垂直ラインが照射されます。そのラインを基に、調査を行っていきます。(詳細は、2014/12/13付けブログに掲載) 「壁はまっすぐ建っているもの」と思われがちですが、新築、中古に関わらず、この機材を利用して調査してみると、規準を超える傾きがある物件は少なくありません。
誰もがオートレーザーで建物確認後に購入できれば、傾いた家を購入せずに済むのですが、高額な製品ですし、機材に慣れるまで時間もかかるため現実的ではありません。
もし不動産購入時に、ご自身で家の傾きを調べたいと思われるのであれば、「水平器」をお勧め致します。
この機材は、床に置くだけでOK。
中央の水泡が真ん中にあれば水平と判断できます。
全体のバランスもありますので一概には言えませんが、水泡が2本目の線を超えると、少し注意をして対応した方が良い傾斜と思われます。
ちなみに、「ビー玉」を勧められることがありますが、あまり意味がありません。
「ビー玉」では、傾きの大きさを確認することができませんし、風などの影響を受ける可能性もあります。
最近の分譲マンションでは、遮音対策のために一般的にL-45等級程度のフローリングを採用していますが、左のイラストのようにフローリング材とスラブの間に「ラバー」と呼ばれれるクッション材(スポンジのような質感)を挟んでいます。
L-45等級のフローリングの上を歩くと、フワフワと床が沈む感覚があります。
その影響により床表面には小さな不陸が発生しているので、『ビー玉が転がる≠傾斜」となります。